マドンナーロを描く人

08年2月9日〜3月14日のホワイトデーまで、京都駅のポルタでマドンナーロのイベントが行われています。
昨日偶然通りかかって、齋藤智輝さんという方と外国の女性の方がパステルやチョークで絵を描いている姿を見たんですが、とってもすごい! :-) 何がすごいのかというと、絵を描く技術ももちろんすごいのだけれど、興味津々で集まってくる人達と会話をしながら、描いている姿を見てもらっていることを楽しんで絵を描かれている様子が、とってもすごいなぁと思いました。
絵を描いたり作品を作ったりしていて、完成したものを見てもらいたいなと思うことはしばしばだけど、描いたり作ったりしているプロセスを見てもらいたいと思ったことは、今までほとんどありません。それは、作品が作品としてまだ成り立っていない、未熟な状態で人に見られるのが嫌だ、という思いや、過程を見ただけで判断されて、完成した作品を見てもらえないのではないか、という危惧がわたしにあるからかもしれません。
マドンナーロを描く齋藤さんは、自身のサイト*1で以下のように書いています。

マドンナーロの絵は、出来上がっていくプロセスこそが真髄であり、人を惹きつけるのだと思います。その時間、その場所にいた人だけが体験するもの、アートというよりパフォーマンス、大道芸だと思っています。

http://tomoteru.web.fc2.com/qa.htm

絵を描くことそのものを楽しみ、プロセスの見手がそこにいてこそ成り立つアート*2。わたしもしばらく立ち止まって絵を描く姿を見ていましたが、少しずつ絵が出来上がっていく様子は、とても魅力的でわくわくしました。描き手と見手がこんなにも近いアートがあるなんて、なんて素敵なことだろうと思います。
絵画や彫刻の古典芸術も好きだけど、現代アートが面白いと感じている今、わたしがわくわくしているマドンナーロは中世から存在していたのだそうです。まだまだ知らない今までのアート、まだまだ分からないこれからのアート、アートの可能性はまだまだこんなものじゃないだろう! と目の前に広がる無限大にとても心が躍ります。

マドンナーロが絵を描く様子を動画で見れるウェブページを見つけたので、リンクをぺたっ :-)
http://d.hatena.ne.jp/vietatofumare/20060820

*1:ToMo's Street Painting Gallery

*2:パフォーマンス・アートならぬアート・パフォーマンスという言葉が適していると思うのだけど、如何?