京都を好きになる理由
京都に住み始めてからおよそ3年になりますが、京都という町が大好きです。お寺めぐりを気の向くままに出来る*1ところとか、ちょっと風情のある小路に入ってちいさなお店を探しやすかったり*2とか、何度も行きたくなるようなカフェがたくさんあるところとか、景観がよくて町全体が歩きやすい*3ところとかが、特に :-)
さて、既知の通りはてなが京都に帰ってきましたが、id:jkondoさんのダイアリーにて、京都に関するこのような記事を読みました。
碁盤の目の道路に信号が100mおきくらいに並んでいるので、車で走っているとしょっちゅう信号で止まる感じとか、自転車で赤信号を避けながらジグザグに走る感じとか、鴨川をあるいているとしなもんを走らせることのできるなにもないスペースがある感じとか、昔ながらの路地を歩くと車が通れないような細い道の脇に民家が並んでいる感じとか、以前は何気なく見過ごしていた景色が今は新鮮だ。町にはその町独特のサイズがあって、それが環境として人にどれだけ影響を与えるか、ということを考えてしまう。
jkondoの日記「猛烈なアウェー感」
とある京都の会社の説明会で、東京にも事業部があるのに何故主要な活動を京都で展開されておられるのかと聞いたところ、答えてくださった社長の言葉に気付かされることがありました。なぜ新しい技術が入ってきやすい東京ではなく、京都を選ぶのか。それは、京都が好きだからなのだそうです。他にも理由はある（これについては後述します）けれど、やっぱり京都が好きなんだ、とおっしゃられた社長の言葉に、わたしの中で「好きだから」という理由は、十分に理由に成り得る、という発見がありました。
好きなだけじゃやっていけない、好きなことばかりしていてはいけない、というような言葉をよく聞きます。それは正しくもあり、けれど、同時に間違ってもいるのだと、今は思う。
好きな人と働かなければならない。── ロジャー・マクナミー
http://www.bunshun.co.jp/umeda_web/umeda_link_teiri02.htm
You have to work with people you like.──Roger McNamee
「Loop」2003年9月号、Roger McNameeインタビュー録音より
好きな人と働くこと、また、好きな会社で働くこと、そして好きな場所で働くことは、人を動かすプラスのエネルギーになるのではないかと思います*4。いくらやりたいことをやっていても、一所懸命にやればやるほど辛いことや苦しいことは伴うはずで、それを乗り越えるだけのモチベーションの高さを維持できるかどうかは、それが、楽しいのか楽しくないのか、好きなのか好きじゃないのか、ということが関係してくるのかもしれません。
さて、新しい気付きをくれたその会社が、なぜ京都を選ぶのかというその他の理由のひとつとして、考えるのに最適な場所だと思うから、という返答をもらいました。
考える、ということに関してid:lynxeyedさんのダイアリーに、以下のような記事があります。
流れる景色の影響でしょうか、身体へのランダムな振動の影響でしょうか、不思議なことに、歩いているときや乗り物に乗っているときなど、移動中は思考が伸びます。
（中略）
いまこうやって書いてみて、タイトルの「移動中の思考の形」と上記項目２つ目の「動きつづける」はリンクしているかもしれないことに気付きました。
「思考が伸びる」と書いた移動中の状態は、絶え間なく「動きつづけ」ている状態と等しいのかもしれません。
JDKA07_lynxeyed「移動中の思考の形」
先に引用したid:jkondoさんの記事の内容も、「京都で動く」ことからの発見だったのではないかと感じます。わたしにとって「歩く」ということと「考える」ということはリンクしています。歩いていると、考え事がはかどることがしばしばです :-) この2つがリンクしていると、京都が歩きやすい町だと感じることは、京都は考えるのに適している町である、と言うことも出来そうです。
わたしはクセのように日々いろんなことを考えてしまうのだけど、京都が好きな理由を、ここでもまたひとつ発見。考えることは疲れを伴うことだけど、考える行為を助長してくれる京都は、わたしにとって優しい町なのだと思います。
いろいろ書いたので、最後に簡単にまとめておきます*5。
- 好きだということは理由になる
- 好きな人と、好きな会社、好きな場所で働くということ（環境の影響＝町が、会社が、周囲の人が、人に及ぼす影響）
- 歩くことと思考することがリンクしていると、歩きやすい町は考える行為を助長してくれる町に成り得る
