幸せな11日間

ここ2週間ほど、母校の中高へ戻り教育実習をさせて頂いていました。
なにをどうやって良いのか分からないまま教室に入った最初の1週間。そして、8時間分の情報の授業を担当させてもらった残りの1週間。この2週間を過ごしているときは、毎日が大変で、きつくて疲れて、ため息もたくさんついたけれど。本当に、なんて素敵な2週間だったことかと思います。
初めは、生徒とどう接して良いのか分からなくてとまどっていました。そうしたら、そのとまどいが生徒達にも伝わって。段々と慣れて、もっと生徒達と話したいと思うようになると、生徒達が笑って話しかけてくれるようになりました。生徒達と仲良くなって、少しずつ生徒に注意や指示が出来るようになってくると、そこにいるのが当たり前であるかのように教室にいることが出来ました。生徒には、本当にいろんなことが伝わります。先生、という立場でそこに存在するだけで、良くも悪くも生徒に影響する存在になってしまう。先生という肩書きってすごいなぁと思います。

実習期間中、中間テスト、風紀検査、進路学習、人権学習といろんなイベントがあったけれど、生徒達ばかりじゃなくて、わたしにとってもどれも良い経験となりました。情報の授業では、教科担当の先生に「専門は何ですか?」と聞かれて「ウェブです(結構嘘)」と豪語したら、ウェブについての授業をさせてもらえることになって、生徒達に思う存分ウェブについて伝えてきました :-) 1日に4時間授業をする日もあって、その日はさすがに大変だったけど、授業をするのは本当に楽しかったです。生徒が「先生、パソコンちょっと好きになった」とか「家に帰って、教えてもらったサイトをまた見てみたい」とか言ってくれると、本当に「やった!」という気分! :-D
慣れないうちは教室に行くのもおっくうだったのに、最後の日、締めの挨拶をしようと教壇に立ってみんなの顔を見ると、もう涙がとまらなくて大変でした。生徒達に「先生泣きすぎ! もらい泣きしそうになってヤバいから泣かないで」とつっこまれるくらい(笑)。

たいした心構えもなく挑んだ教育実習だったけれど、教師という存在が生徒にとっていかに重要なのか、教師にとって生徒達の存在がいかに大きいのか、実感することが出来ました。教師という立場になってみないと分からないことがある。教師が、いかに生徒のことを大好きなのか(本当に、どの子もみんなかわいいのです)。どれくらい、生徒のことを大切に思っているのか。わたしは考えがまだまだ甘いのだとは思うけど、でも、生徒が笑顔になってくれるなら、大変でも頑張れない訳がない、と思えることを、知りました。
生徒の立場にいると、そんなことはまったく知らないけれど。口うるさい先生ばかりでイヤ、と言う生徒も多いけれど。でも、それはわたしが中高生だった頃もそうだったし、それで良いのだと思います。嫌われるくらいでちょうどいい。嫌われるくらいに、何度も何度も生徒に一粒ひとつぶの種を撒いて、いつの日か生徒がそれに「気付い」て、芽を出してくれた時。その「時」を体験すると、もう先生をやめることは出来ない、と、とある先生がおっしゃっていました。
大変だったけど、言うことを聞かない生徒に苛立ったこともあったけど、中高生の先生になる、こんな体験が出来ることなんて、わたしには、きっともう二度とない。いろんなことを生徒達から、先生方から、中学、高校というその場所から、与えてもらいました。
あっと言う間に過ぎ去ってしまった、なんて幸せな2週間。惜しみない感謝を、先生方へ、そして、大好きな生徒達へ*1

*1:今週の月曜日の全校一斉英単語試験はどうでしたか :-)